毒とは、生物の生命活動の維持に不都合な物質のことを指すそうですが、錬金術師にして化学療法の父・パラケルススはこんな言葉を残しています。
「すべてのものは毒であり、毒でないものなど存在しない。
その服用量こそが毒であるか、そうでないかを決めるのだ。」
どんなものでも服用量によって生命活動に不都合になるってこと!?
なにそれめっちゃこわい!
というわけで、今すぐ毒について知りたくなってきたあなたのために、毒に詳しくなれる漫画を3つご紹介しましょう。
『薬屋のひとりごと』
原作:日向夏
作画:ねこクラゲ
構成:七緒一綺
キャラクター原案:しのとうこ
掲載誌:月刊ビッグガンガン
出版社:スクウェア・エニックス
単行本7巻まで発売中
『薬屋のひとりごと』あらすじ
後宮で下女としてひっそりと働く猫猫。
本来は薬師として父の元で働いていたのですが、人攫いによって売られ、現在の境遇に。
年季明けまで目立たぬように努めていた猫猫ですが、とある事件をきっかけに薬師としての能力を宦官の壬氏に見破られ、後宮で起きる様々な事件解決に関わることになるのでした。
『薬屋のひとりごと』おすすめポイント
薬学知識を生かした推理で事件を解決するミステリ仕立ての中華風ファンタジー。
有効成分と言えど、用法・容量によっては毒にも薬にもなり得るわけで、日常生活の中にも毒物やアレルゲンはたくさん潜んでいるもの。
それらを猫猫が暴き出していきます。
作中では、理科的知識はあまり普及しておらず学習機会にも乏しいようで、そのために命が危険にさらされるような事件が発生します。
ですが、私たちの暮らす現代社会はそうではありません。
様々な研究が進み、知識は共有され、学習機会も豊富にあります。
知る・学ぶということは、確実なサバイバルの手段になるわけです。
『毒姫』
著者:三原ミツカズ
掲載誌:ネムキ
出版社:朝日新聞出版
単行本全5巻(続編あり)
『毒姫』あらすじ
小国、ミトラガイナ国。
この国には、幼い頃から毒を摂取しながら育つ「毒姫」と呼ばれる少女がいます。
美しい毒姫たちの正体は、猛毒となった体液でその身体に触れるものを死に至らしめる暗殺兵器。
毒姫の一人・リコリスもまた、国王暗殺のために敵国であるグランドルへ送り込まれますが、暗殺に失敗してしまいます。
捕らわれの身になったリコリスは、そこでグランドルの3人の王子の秘密を知ってしまうのでした。
『毒姫』おすすめポイント
リコリス、ベラドンナ、ロベリア、菖蒲、アネモネ・・・
花壇や植え込みで慣れ親しんだ、美しい花々です。
しかし実は、毒性の強弱こそあれいずれも毒草。
毒姫たちには、これら毒草の名前が付いています。
思いもよらぬ身近な植物にも毒が含まれていることに、驚くことでしょう。
毒草は何も特別なものではありません。
身の回りに溢れる可憐な毒草に気付くきっかけになる漫画です。
『三枝教授のすばらしき菌類学教室』
著者:香日ゆら
掲載:COMIC BRIDGE
出版社:KADOKAWA
単行本2巻まで発売中
『三枝教授のすばらしき菌類学教室』あらすじ
主人公・天谷洸平は、よこしまな動機から農業大学へ入学しますが、さっそく入学式当日に目的を失ってしまいます。
失意の天谷が出会ったのは、きのこ大好き小学生・深山舞子と、きのこの先生・三枝教授。
ちょっとした勘違いから「きのこの王子様」となってしまった天谷と、きのこの魅力と知識を披露しまくる舞ちゃん&三枝教授によるアカデミックコメディ。
『三枝教授のすばらしき菌類学教室』おすすめポイント
フグと並ぶ天然由来の毒物二大巨頭であるきのこ。
国内で発生する自然毒の誤食による中毒の約半数はきのこだと言われます。
しかも、その毒性のバリエーションは豊かで、大変バラエティに富んだ苦しみを我々に提供してくれます。
そんな毒のデパート・きのこについて、楽しく知ることができるのがこの漫画。
特に、舞ちゃんの偏った嗜好により、毒による苦痛や毒抜きの方法や毒抜きしても結局は無駄なことなど、毒きのこに関する知識がふんだんで、きのこ的なサバイバルにはもってこい。
とは言っても、基本は「野生のきのこは食べない」。
これに尽きます。
サバイバルポイント
これまでにも「さばい部」では、毒に関する記事を掲載しています。
毒が気になって仕方のない方は、以下の記事や、記事で紹介している漫画もぜひチェックしてみてください!