今回、お届けするのは「銃」を楽しく知ることができる漫画。
銃を扱う作品は非常に多く、これからご紹介する作品以外にも名作・迷作は数知れず。
そんな多くの作品の中から、誰でも楽しめるエンターテイメント性の高い漫画を3つ選んでみました。
『ガンスミスキャッツ』
著者:園田健一
掲載誌:アフタヌーン
出版社:講談社
単行本全8巻(続編全5巻)
『ガンスミスキャッツ』あらすじ
シカゴで銃工店「ガンスミスキャッツ」を開いているラリーは、銃の職人・ガンスミスでありバウンティハンター。
彼女の銃の腕前は父譲りで、愛銃はチェコのCz75。
ともに「ガンスミスキャッツ」を営む自称・ボムスペシャリストの爆弾魔ミニー・メイは、バウンティハンターの相棒でもあります。
ラリーとミニー・メイの二人が請け負う仕事は、常にとんでもないことになりがち。
車と銃とプロフェッショナルの仕事がつまったガンアクション。
『ガンスミスキャッツ』おすすめポイント
アメリカのハリウッド~C級映画、テレビドラマまで、ガンアクションやカーアクションが好きな人におすすめ。
台詞回しもやり取りも、まるっとそっち方面で楽しめます。
キャラクターやシチュエーションのパロディもあり。
この作品の代名詞のように言われることも多いCz75をはじめ、SIG P210、ルガー、デトニクスコンバットマスターなどが適材適所で登場。
映画やドラマでおなじみのウージーやコルトも多数。
さらに、銃の紹介が親切で、うんちくが豊富なので、アクション映画を観る楽しみも膨らみます。
『BLACK LAGOON』
著者:広江礼威
掲載誌:月刊サンデージェネックス
出版社:小学館
単行本11巻まで発売中
『BLACK LAGOON』あらすじ
日本人の岡島緑郎は、旭日重工資材部東南アジア課に勤務。
その職務中、海賊に拉致されてしまいますが、会社はさくっと彼を見捨てます。
そのことで、かえってこれまでのしがらみに見切りがついた緑郎。
会社の仕向けた傭兵部隊を自身のとんでもないアイデアで蹴散らした後、二丁拳銃のレヴィ、マッチョでタフで博識な変人のダッチ、ウィザード級ハッカーのベニーとともに、自らを拉致した運び屋・ラグーン商会のメンバー「ロック」として生きていくことを選ぶのでした。
『BLACK LAGOON』おすすめポイント
「こんなひどい銃を恥ずかしげもなく持っている連中と共闘などできん」とまで言われた末に池へ棄てられるなんて、むしろどんな銃なのか気になりませんか?
キャラクターの立ったアクション、個性的な銃のカスタマイズ、そして持ち主を語る銃の存在感が楽しめる漫画です。
たとえば、エダの出自を匂わせる伏線らしきグロック17。
ソ連軍の装備より除籍となったスチェッキン・マシンピストルがバラライカの過去を思わせたり。
常に一発も撃たないのに引き分ける謎の能力(?)を持った厨二病のトリックスターであるロットンが全弾撃ち終わらないと装填の難しいモーゼルを気に入っているなんていうこともあり。
とにかく銃がとても雄弁です。
『ヨルムンガンド』
著者:高橋慶太郎
掲載誌:月刊サンデージェネックス
出版社:小学館
単行本全11巻
『ヨルムンガンド』あらすじ
自分からすべてを奪った武器を憎みながら、武器がないと生きていけない少年兵・ヨナ。
彼が出会ったのは、武器商人ココ・ヘクマティアル。
ココの率いる私兵たちと世界各地を転々とするヨナでしたが、ココの抱くある計画に彼がふれた時、その関係は一変してしまい・・・。
『ヨルムンガンド』おすすめポイント
ガンダム、かっこいいですよね?
でも悲しいけどあれ、武器なのよね。
映画「風立ちぬ」が制作されたのは、軍事マニアであり平和主義者でもある宮崎駿監督にそろそろその答えを出すようにとプロデューサーの鈴木敏夫氏が声をかけたのがきっかけらしいのですが、なぜ私たちは恐ろしいものだと分かっているのに武器に惹かれてしまうのでしょう。
その答えは各人の判断に任せるとして、『ヨルムンガンド』は武器へのアンビバレンスが形になった漫画だと思うのです。
銃だの、戦車だの、カッコイイナーって思うその感情を肯定してはくれませんが、どうして人間が武器を手放せないのか、なぜ心惹かれるのか、といったことを考えることができます。
サバイバルポイント
モデルガンも銀玉鉄砲も水鉄砲も、手にしたならば安全に!
何でもそうですが、安全あればこその楽しみです。
知ることは、安全に楽しむための手段のひとつですよ。