人類滅亡までのカウントダウンを表す、世界終末時計。
1947年にアメリカの科学雑誌の表紙に初登場した際には人類滅亡7分前でしたが、2020年には人類滅亡100秒前まで時計の針は進んでいます。
もちろん、我々は知恵を絞り、協力できうる限りのことをすべきでしょう。
一方で、来たる世界の終末に、さまざまな思いを馳せてしまうのも事実です。
終末漫画はいろいろありますが、ムサいのとかグロいのは置いておいて。
ここはJAPANの得意技「Kawaii=かわいい」に的を絞り、「かわいい終末」を描いた漫画を通して世界の終わりを考えてみようではありませんか。
というわけで、世界の終わりをゆるく生き延びる終末漫画を3つ選んでみました。
『ヨコハマ買い出し紀行』
著者:芦奈野ひとし
掲載誌:アフタヌーン
出版社:講談社
単行本全14巻
『ヨコハマ買い出し紀行』あらすじ
地球温暖化が進行し、陸地が減ってしまった近未来。
「夕凪の時代」と呼ばれるその時代、世界はゆっくりと滅びに向かっているようです。
そんな緩やかな時の流れのなか、ロボットである初瀬野アルファはカフェ・アルファを営み、岬に暮らしていました。
オーナーの帰りを待ちながら・・・。
『ヨコハマ買い出し紀行』おすすめポイント
地球が大爆発でもすれば、一気に世界は終わるのでしょう。
でも、実際はこうやって人の営みがありながら、ゆるやかに壊れて終わっていくんだろうなと思います。
ロボットゆえに、おそらくそれを見続けることになるであろうアルファさんの終わりの日常はゆっくりと穏やか。
アルファさん本人を含め、個性的なキャラクター、不思議な生物などの「かわいい」にあふれています。
ですが、ロボットとは異なる人間の時間に気がつくエピソードに触れた時、ゆっくり穏やかな時間は終わりへ向けて確実に進んでいるのだと意識させられます。
そして、時間が流れているのは、私たちの世界も、私たちの人生も同じ。
メメント・モリ。
今を大切に生きていきましょう。
『終末少女旅行』
著者:つくみず
掲載:くらげバンチ
出版社:新潮社
単行本全6巻
『終末少女旅行』あらすじ
文明の終わった世界。
生物が暮らす環境が整ったかつての巨大都市は、ごく一部のインフラを残しているものの廃墟都市となっています。
おじいさんに育てられたチトとユーリは、無機質な廃墟を二人で旅していました。
半装軌車・ケッテンクラートに乗って、わずかな生存者と出会ったり、かつての文明の痕跡を発見したりしながら、彼女たちはひたすら上層部を目指すのでした。
『終末少女旅行』おすすめポイント
終わってしまった世界の残骸を女の子二人が見て回るのですが、その姿が仲むつまじくかわいいだけに、無機質な世界が際だちます。
文明の残滓に触れ、わずかな生存者に出会うこともあります。
彼女たちは、なぜ食糧不足なのに武器ばっかり作っていたんだろうと過去への疑問を抱いたりもしますが、二人が何か真実めいたことを知ったり、過去の財宝を獲得したりすることはありません。
ただひたすら、二人が世界を傍観し続けます。
旅ってこういうのが良いよなぁって、思うのです。
ただただ旅をするのが、とても良いのです。
でも、次の約束がある現代社会で、それをするのは難しいのも事実。
次の約束に縛られない自由は、世界の終わりほどの孤独であると知ることのできる作品です。
そして、その孤独のなか、無邪気にじゃれ合うかわいい二人が少しでも長く一緒にいられたらと願うのです。
『世界の終わりに柴犬と』
著者:石原雄
掲載:コミックウォーカー、ニコニコ静画
出版社:KADOKAWA
単行本3巻まで発売中
『世界の終わりに柴犬と』あらすじ
リュックサックを背負い、セーラー服で終わってしまった世界をサバイバルしている女子高生のご主人と、柴犬のハルさん。
世界が終わっても、柴犬は柴犬。
柴犬あるあるを、終末世界で繰り広げる4コマ作品。
『世界の終わりに柴犬と』おすすめポイント
犬は人類最初の友。
そして、どうやら最後の友でもあるようです。
世界が終わろうとしている時、隣にどんな存在が居てくれたらうれしいですか?
もし、思い浮かぶ存在がいるのなら、今、その存在を大切にしてあげてください。
その存在のためにあなたがする良い行いの一つひとつが、世界を終末から遠ざけます。
すべては一人の一つの善行からです。
・・・とか何とか良い話っぽいこと書きたくなるくらい、柴犬がかわいい。
かわいい。かわいい。かわいい。
以上、おすすめポイントでした。柴犬かわいい。
サバイバルポイント
世界を終わらせないために。
とりあえずゴミは分別し、手を洗い、選挙はちゃんと考えて投票する!
あきらめたらそこで人類滅亡です!