「ミラーニューロン」をご存知でしょうか?
他人のとった行動を見て、自分も同じ行動をとっているような反応をする神経細胞のことです。
人間の発達は、この「ミラーニューロンによる模倣」が大きな役割を果たしていると言われています。
私たちの脳は日々、様々な模倣をしています。
ということは、良いことをしたら、それを見た人は良いことを模倣することになります。
そうなると、ミラーニューロンによって良いことが無限に模倣され、世にあふれ、やがて自分に返ってくるはず!?
というわけで。
善行こそが周囲の善意を引き出すベストな方法だということに気がつく漫画を3つご紹介します。
何か良いことをしたくなったときにぜひ!
『アリスと蔵六』
著者:今井哲也
掲載誌:月刊COMICリュウ
出版社:徳間書店
単行本9巻まで発売中
『アリスと蔵六』あらすじ
樫村蔵六はコンビニエンスストアで不思議な女の子・紗名に出会います。
紗名は「アリスの夢」という力を持つ超能力者で、自由を求めてあるところから逃げてきたのでした。
曲がったことが大嫌いな花屋・蔵六と、世間知らずな紗名。
二人の頑固者の出会いが世界を変えるSFファンタジー。
『アリスと蔵六』おすすめポイント
主人公・紗名の保護者となったのは、花屋の主人・蔵六。
蔵六は曲がったことが大嫌い。
不正は許さず、筋の通らぬことはせず、正しいと思うことを実直に実行する男です。
そのため、ときに厳しく紗名に接することも。
だからこそ、紗名は蔵六を信頼するようになっていきます。
信頼を勝ち得ることは、多くの味方を得て状況を有利にするなど、人間社会を生き抜いていくうえで非常に重要。
サバイバルのためには、蔵六のように正しいことを正しくおこなう勇気が必要なのです。
『重版出来』
著者:松田奈緒子
掲載誌:月刊!スピリッツ
出版社:小学館
単行本15巻まで発売中
『重版出来』あらすじ
主人公・黒沢心はオリンピック出場を期待されるほどの女子柔道家でしたが、ケガにより断念。
心機一転、就職活動に励むなか「重版出来」という言葉に出会います。
出版社に入社して配属されたコミック誌「バイブス」編集部で、自分も重版出来の感激を体験したいと「精力善用」「自他共栄」をモットーに邁進。
出版業界のあれこれを交えて、心と周囲の人々の成長を描いた作品です。
『重版出来』おすすめポイント
主人公・心は、周囲から「縁起が良い」と評価されています。
たしかに、入社試験のヤマが当たるなど、縁起や運の良さを感じさせる出来事はありました。
でもそれらは、心に言わせると「日々の善行で運を貯めているから」。
柔道の講道館の指針に「精力善用」「自他共栄」というのがあり、それが心のモットーです。
柔道家の心はそれを実践しているだけなのです。
心の善行は、同じく「善行を積み、いざというところで運を使う」主義を持つ社長の目に留まります。
善行こそが道を開き、人をつなぐのだということがよく分かる作品です。
『ブスに花束を』
著者:作楽ロク
掲載誌:ヤングエース
出版社:KADOKAWA
単行本8巻まで発売中
『ブスに花束を』あらすじ
少女漫画に憧れる女子高生・田端花の自己評価は「地味なモブキャラ」。
何かあるたびに、頭の中でネガティブな妄想をしてしまいがちです。
ある出来事をきっかけに、花はクラスの人気者・上野くんと仲良くなります。
しかし、花のネガティブ妄想は止まらず、二人はすれ違うのでした。
『ブスに花束を』おすすめポイント
ヒロイン・花と上野くんが仲良くなったきっかけは、花が朝早く起きて人知れず教室に切り花をいけていたことから。
上野くんは、誰が毎朝切り花を変えているのか、ずっと気になっていたのでした。
マタイによる福音書6章には「見てもらおうとして、人の前で善行をしないように注意しなさい」とあります。
そして「そうすれば、隠れたことを見ておられるあなたの父が報いてくださる」とも。
見ている人はちゃんと見ているのです。
ちなみに、花が善人なのはもちろんですが、上野くんも負けないくらいの善人で、お似合いとしか言えません。
サバイバルポイント
施せし情は人の為ならず
おのがこゝろの慰めと知れ
我れ人にかけし恵は忘れても
ひとの恩をば長く忘るな
by 新渡戸稲造
近頃、アメリカがデンジャラスですが。
アメリカがデンジャラスだと日本も風邪をひくと言われているわけですが。
そんな世界だからこそ、どこかに「善行の永久機関」を作って人類まるごとサバイバル!