エネルギー問題も地球温暖化問題も渋滞問題も解決できて、
しかも身体に良い乗り物ってなーーーんだ?
簡単ですね。
自転車です。
サイクリングサイクリングヤッホーヤッホーです。
燃料いらずだから、エネルギー問題は解決。
CO2排出量ゼロだから、地球温暖化問題も解決。
道路における占有面積が小さいから、渋滞問題も解決。
さらに全身を使った有酸素運動にもなるので健康にもGOOD。
保険料負担が減って国家予算も安泰! 国も安泰!
♪I want to ride my bicycle~ I want to ride it where I like!
・・・なんですが。
意外と、自転車に「正しく乗れている人」は少ないんです。
良いことだらけの自転車なのに、漕ぐのがダルいだなんて思っている子はいねぇが!?
もしかしたらそれ、サドルの高さを変えれば解決するかもしれませんよ。
自転車に乗るとき、サドルの高さはとっても大事。
サドルの高さが合っていないと、60%もの力をロスしてしまうんです!
これ、カレーにたとえると、300gのカレーを食べても、180gは床にこぼしてるってこと。
もったいなくないですか!?
すぐに腹減りそうじゃないですか!?
それ以前に、食べるの下手くそすぎませんか!?
これと同じように、サドルの高さが不適切だと60%も効率が下がってしまうわけです。
ということで、今回は自転車の「サドルの高さ」に注目したサバイバルを。
テキストは渡辺航作の漫画『弱虫ペダル』
『弱虫ペダル』は、2008年から「週刊少年チャンピオン」で連載中。
2019年11月時点で
・単行本64巻
・単行本累計発行部数1700万部以上
・第39回講談社漫画賞の少年部門受賞
・テレビアニメ4期
・劇場映画化
・ゲーム化
・舞台化
と、非常に人気の高い作品です。
主人公は小野田坂道。
千葉から大好きな秋葉原へ自転車で足繁く通う高校生。
なぜ秋葉原まで自転車かと言うと、交通費を浮かすことでより多くガチャポンするため。
秋葉原通いで鍛えられた彼は、学校の裏にある急坂をシティサイクル(いわゆるママチャリ)で登っていく姿を同級生の今泉俊輔に見つかり、自転車で勝負をすることに。
この出会いをきっかけに、自転車競技部へ入部。
坂道は、天賦の才と一途なメンタルでクライマーとして活躍、成長していきます。
サドルは「高すぎる」と感じる位置が正解?
さて。
適切なサドルの高さのエピソードは、今泉との勝負に登場します。
単行本第一巻収録のRIDE.5「来るわけない」からRIDE.6「ケイデンス」です。
経験者の今泉は15分後にスタートするというハンデありの勝負。
先にスタートした坂道は「来るわけない」と思いつつ、学校裏の急坂「裏門坂」を登ります。
ところが、ハンデをものともせず、今泉は坂道に追いつきあっさり抜き去っていきました。
あまりの出来事に呆然とする坂道。
そこへ登場したのが、自転車屋の娘で、自転車が大好きなヒロイン・寒咲幹。
幹は坂道に自転車を降りるように言うと、サドルを上げはじめました。
サドルには適正な高さ(ポジション)があるのだと。
ですが、幹が調整したサドルのポジションだと、坂道の足は地面に届きません。
坂道にとっては「高すぎる」と感じるポジションだったのです。
しかし、この「高すぎる」サドルのポジションこそが実は適正。
ペダルに力が十分に伝達される「高さ」なのでした。
ここで幹から出たのが「サドルの高さでロスする力の量は60%」のセリフです。
サドルを適正な高さにしたことで、坂道は60%のパワーアップをしているわけです。
この後、坂道は「楽だ」「足がするする回る感じ」、さらには「ヒザも痛くない」とその漕ぎやすさを実感。
本来持っている資質を最大限に生かし、今泉に追いつくことに成功します。
自分の自転車で調整してみよう!
サドルの適正なポジションが重要であり、適正なポジションは高めである、ということがわかったところで、実際に自分の自転車のサドルを調整してみようではありませんか。
サドルの適性な位置とはどこなのか?
どうやって知るのか?
まずは自転車にまたがってみましょう。
多くの方は、足が地面にベタっとつく状態ではないでしょうか。
安定感はありますが、これだとちょっとサドルのポジションが低いのです。
ポジションが低いと、太腿の前側にある大腿直筋や外側広筋を多く使うことになります。
これらは「速筋」といって、無酸素運動時に使われる筋肉。
一瞬で大きな力を出すことができますが、長時間にわたって使うことはできません。
だから、回転数は多くなりますが、疲れやすくなってしまうのです。
では、サドルのポジションをどのくらい上げればいいのかと言うと・・・
ふたたび、自転車にまたがってみましょう。
かかとをつけてペダルに足をかけます。
そして、足の裏と地面が平行になるようにペダルをぐっと踏み、一番低い位置にします。
このときに膝がピンと伸びる高さが、適正なサドルのポジションです。
ポジションの高くすることで、体重をしっかり乗せて漕ぐことができるようになるのです。
また、太腿の裏側にある大殿筋や大腿二頭筋、ふくらはぎの腓腹筋など、より広範囲の筋肉を使うことができるようにもなります。
大殿筋、大腿二頭筋は「遅筋」。
多くのヘモグロビンやミオグロビンが存在し、持久力のある筋肉です。
ポジションが高いと遅筋を使って漕ぐので、疲れにくいと感じるのです。
漕ぐときは、土踏まずやかかとではなく親指の付け根のふくらみ=母子球で踏みます。
ペダルの軸を母子球で踏むようにして漕ぎましょう。
さあ、これで60%効率よく漕げるはず!
十分に慣れてから公道へ!
ここでいくつか注意事項を。
高すぎるポジションは筋肉が伸びきって、かえって疲れる原因となるうえにバランスを崩しやすく危険です。
やりすぎには気をつけましょう。
慣れないうちは不安定でもあります。
幹にサドルのポジションを変更してもらった直後、坂道がふらふらとする描写があります。
足がピンと伸びる位置にサドルを調整すると、つま先は地面に付くか付かないかスレスレ。
このような状態で漕ぐのは不安感があり、どうしてもふらつきが出てしまうものです。
コツは幹のアドバイスのとおり、高さを意識しないこと。
そして、ペダルを漕ぐことに集中すること。
すると坂道が体感したように、ひと漕ぎで驚くほど前へと進むでしょう。
初めて補助輪を外したときの感覚に近いかもしれません。
このように、前へと進むことで安定することを身体に覚えさせましょう。
進むときはともかく、止まるときはどうしたらいいでしょうか?
足が届かないと倒れそうと、不安になるかもしれません。
止まって待つ際には、サドルから前方へ下り、地面に足がつくようにします。
こうすればしっかり両足で立つことができ、安定します。
とにかく、十分に慣れてから公道に出るようにしてくださいね。
まとめ
サドルのポジションを調整すれば60%効率アップ!
すいすい自転車を漕げるようになるでしょう。
ダルいなんて言わず、ぜひ、もっと自転車に乗ってみてください。
冒頭で触れたとおり、いろいろメリットの多い自転車ですが、ダクトテープが個人的に一番訴えたいメリットはなんといってもその自由さ。
どこへでもどこまでも行けるような自由さ。
もはや気分はイージーライダーですね。
♪Born To Be Wild~
サバイバルポイント
自転車は最高に自由な乗り物ですが。
レインボーブリッジは自転車を押して(貸し出し専用台座による手押し)しか渡れません。
東京ゲートブリッジは自転車では渡れません。
横浜のベイブリッジも自転車では渡れません。
巨大な橋を渡るときは事前に確認を。