マンガ・アニメを観て生き残れ!

マンガ『罠ガール』を読んで罠に掛かった動物に出会った時の対処を学ぶ

[WRITER] ダクトテープ

 

ちょっとした里山歩きをしていて、動物が罠に掛かっているのを発見したら、どんな気持ちになりますか?

 

いたいけな黒い瞳。

ふわふわの被毛。

そして、痛々しい罠。

 

「かわいそう」「痛そう」「助けてあげたい」

そう思う都会っ子は多いのではないでしょうか。

しかし、罠を仕掛けた人がいるってことは、それなりの理由があるはずです。

 

たとえば農家とか。

人間が育てた農作物だろうが、そんなことは野生動物の知ったところではありません。

でも、農家は作物を守り切らなければ、野生動物に食べられてしまい収穫できません。

農家にとってはガチ死活問題なのです。

 

その他、林業にも深刻な被害を与えることもありますし、人が襲われることもあります。

そこには、罠によって守られる暮らしがあるのです。

 

さらに、増えすぎた動物の個体数を調整するための罠。

本来いるはずのない外来種を捕獲するための罠。

調査研究のための罠。

生態系を保護・維持するために仕掛けられる罠もあります。

 

このように、罠には深くて重い理由があるのです。

決して「かわいそう」という感情だけで、罠に掛かった動物を逃がしてあげようなんて思ってはいけません。

 

助けたところで、奴らは恩返しをしたり、嫁に来たりしてはくれません。

それどころか、罠から逃がそうと近寄った我々に危害を加えることだってあるのです。

 

日本人のDNAに押しかけ女房属性を植え付けた萌民話「鶴女房」なんて、とんだ戯言なんですよ!!!

 

というわけで。

現実に罠に掛かった動物を見つけたらどうしたらいいのか?

その対処を学び、身を守るサバイバル法を身につけましょう!

 

テキストは漫画『罠ガール』

 

 

罠ガールは、雑誌『電撃マオウ』連載中の罠漫画。

女の子が罠を仕掛けるから罠ガールという、実に分かりやすいタイトルです。

 

主人公は女子高生の朝比奈千代丸。

この子がお友達のレモンちゃんとイチャイチャしつつ、罠を仕掛けまくります。

 

第3話にあたる「3捕獲目」で、千代丸は雄シカを捕獲します。

千代丸の実家のビワがシカの食害を受けていたため、罠を仕掛けることになったのです。

使用したのは安価なくくり罠。

シカが足を入れると罠が作動してワイヤーが締まるというものです。

 

さて。

罠を仕掛けても、なかなか掛からず千代丸がふて始めた頃。

レモンに連れられて見に行くと、雄シカが掛かっていたのです。

この雄シカは、以前、千代丸が張ったネットに角を絡めた際、角を折って逃げた個体でした。

 

罠に掛かった動物は、角材、ナイフ、電極棒などを用いて、なるべく苦しめないようにとどめを刺します。

興奮した雄シカにとどめを刺そうと近寄る千代丸ですが・・・

 

後ろ足をワイヤーに捕らえられた雄シカは、最初は伏せていたものの、千代丸たちに気付くと立ち上がって攻撃姿勢に。

雄シカが角を折る現場にいた二人は、追いつめられた雄シカの気性の荒さと、鉄の柱を曲げるほどの力をすでに知っています。

 

殺気を帯びた雄シカの様子から、千代丸は自分の手には負えないと判断し、役所に連絡。

ハンターに鉄砲でのとどめ刺しを依頼することを選択しました。

 

ハンターは言います。

「お嬢ちゃん、ワシを呼んだんは正解」

「雄シカの角は危ない」

「仕留め損ねて角が刺さって死んだという話もある」

 

足を固定されて逃げられないものの、油断はできません。

まさに死力を振り絞って襲いかかってくるわけです。

作中のハンターも言っているとおり、特にくくり罠は足が抜けやすいから絶対に油断してはいけません。

 

罠に掛かった動物というのは非常に危険。

逃がしてあげようと思っていようが、鍋にして喰ってやろうと思っていようが、動物にとって近寄る者はすべてが攻撃対象です。

サバイバルのためには近寄ってはいけません。

 

シカって草食動物でしょ?

 

 

クマならともかく、シカくらいなら草食動物だし大丈夫でしょ?と言う人もいるでしょう。

 

たしかにシカは草食動物です。

ですが、雄シカの角は飾りではありません。

殺傷能力を持つ危険な武器です。

襲いかかってくるときには、頭を下げて鋭利な角を突き立ててきます。

 

では、雌シカだったら?

たしかに雌シカには角がありません。

しかし、雄でも雌でもシカそのものが結構気の荒い草食動物です。

 

たとえば、シカで有名な奈良公園のある奈良県には、年間30件以上もシカによる人身事故の届けがあるそう。

被害を受けた観光客に賠償金を支払うため、奈良県が賠償保険に加入したほどです。

被害の内容は、体当たりされたり、咬まれたり。

つまり、シカは角が無くても十分に危険な動物なんです。

 

リスクは外傷だけじゃない!

直接、怪我をしなかったとしても、シカと人間との人獣共通感染症のリスクも考えられます。

角で突かれた場合のリスクは、エルシニア症・サルモネラ症・大腸菌症・結核・伝染性膿疱性皮膚炎など。

その他の接触でも、生体のシカからはブルセラ病・クリプトスポリジウム症・皮膚糸状菌症などのリスクがあります。

 

罠に掛かって興奮状態にあるシカに近づくということは、角での攻撃による殺傷リスク、咬傷のリスクのほか、人獣共通感染症のリスクを覚悟する必要があるわけです。

シカ以外の、うさぎやタヌキなど小型の動物でも、引っかかれたり咬まれることもありますし、人獣共通感染症も持っています。

 

まとめ

罠に掛かった動物を見つけたら・・・

 

近寄らない。

逃がさない。

 

狩猟罠には免許が必要で、罠の周りには誰が罠を仕掛けたか分かるようにネームプレートがあるはずです。

もし罠の動物が衰弱していたり、あるいは周囲に危険を与えかねない状態になっているなど、必要があればネームプレートの連絡先へ連絡しましょう。

ネームプレートの確認が不可能なら役所へ連絡。

これが正しい対処法です。

 

罠に掛かった動物に近寄らないということは、第一には、その場での「怪我や病気を避ける」という点でサバイバルにつながります。

さらには、「生態系を維持する」という人類としての長期的なサバイバルにつながるということを忘れないでおきたいものです。

サバイバルポイント

「罠ガール」ってもしかして「罠がある」ってことかな・・・