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マンガ『だがしかし』を読んで、遭難時にスニッカーズで生き延びられるかを学ぶ

[WRITER] ダクトテープ

今回は日常から一転、吹きすさぶ吹雪に見まわれその場でのビバークを強いられた女性二人の生還劇において、携帯していたとある食品が大きな役割をはたしたという実例を御覧いただきましょう。

その生還劇とは、漫画『だがしかし』135話。
メインヒロインの枝垂ほたる(しだれ ほたる)と、駄菓子屋の居候メガネ女子の尾張ハジメが、二人きりで吹雪に閉じ込められるエピソードです。

 

だがしかし。
ここで編集部よりチェックが入りました。

「メインヒロインはサヤ師でしょ?」

そう、それ。
もちろん、ダクトテープ的にも元モーニング娘。の鞘師里保ちゃん(特技:けん玉)が二次元に女神転生したとしか思えないサヤ師こそがメインヒロインであるわけなんだが。
だがしかし。
アニメ公式サイトの扱いを見るとな、これが、ぐぬぬ。

 

ということで。

 

漫画『だがしかし』は、週刊少年サンデー連載の漫画で、アニメ化もされています。
製菓会社「枝垂カンパニー」令嬢にして駄菓子をこよなく愛する枝垂ほたるが、主人公である漫画家志望の平凡男子・鹿田ココノツの実家である駄菓子屋にいりびたる、まったりとした駄菓子ネタ日常漫画。

 

なので、遭難した135話も、もちろん駄菓子ネタ。
若干苦しい駄菓子ネタではありましたが。

 

ある日、配達に出たハジメちゃん。
ココノツは雪が降りそうなことから、雪の田舎道の危険性についてハジメちゃんについて注意しながら見送ります。
しかし、そこは残念美人なハジメちゃんのこと、まんまと雪道で迷子になり、しかも崖から落ちそうに・・・
雪の田舎道、超危険。

 

そこを間一髪、駄菓子屋へ向かう途中だったほたるさんが助け出すというか、一緒に落下して、とりあえずは事なきを得ます。
ほたるさんに会って、すっかり安心するハジメちゃん。
だがしかし。
奇遇なことにほたるさんも雪道で迷子になっていたのでした。
雪の田舎道、本当に超危険。

「私達は遭難したと言っていいわ。ここで必要となってくるのはサバイバル力よ」
「雪の中を歩くのは相当なエネルギーを使うわ。気づかないうちに体力を消耗してしまっては危険」というほたるさんの意見で、二人は雪をしのげるポイントへ入り、ビバークをすることに。
何しろ突然のことなので、何の装備も準備もありません。

避難した場所は、かろうじて降り積もる雪はしのげるものの、温度は保てない環境。
そこでほたるさんが取り出したのは、一本のスニッカーズ。
ほたるさんによると「ピーナッツにキャラメル、チョコレート・・・糖質、脂質が比較的高くて1本で247Kcalを摂取できる・・・まさにサバイバルにうってつけ」。

二人はスニッカーズを分け合います。

 

さて、実際のところスニッカーズってどうなんでしょうか。

 

スニッカーズはMars社が作るいわゆるマーズバーと呼ばれるスナックバーの一種。
ちなみにマーズバーではmilkywayがダクトテープのお気に入りです。
登山に携帯されることもあるスナックバーは、携帯しやすく手軽に食べられて高栄養価。

 

つまり、コンパクト&ハイカロリーと、サバイバルに向いている食品なのです。

 

ほたるさんの説明を聞いたハジメちゃんが「軍のレーションみたいっすね」とつっこみますが、そのとおり。
もともと、スナックバー自体がアメリカ軍の栄養補給飾・Dレーションの原型となったお菓子。
スニッカーズシリーズのスニッカーズマンチはアメリカ軍のMRE(Meal Ready To Eat)に採用されています。
ちなみに、スニッカーズマンチは、美味とは言い難い。

 

では、スニッカーズの原材料と栄養価はどんなもんかというと。

原材料は、

・砂糖

・ピーナッツ

・水飴(小麦由来を含む)

・脱脂粉乳

・カカオマス

・乳脂肪

・ココアバター

・乳糖

・食塩

・卵白

・乳化剤(大豆由来)

・香料

 

カロリーはほたるさんの言うとおり一本で247kcal

・脂質24g

・ナトリウム189mg

・炭水化物63g

・食物繊維1.9g

・糖質47g

・タンパク質7g

・ビタミンA120IU

・ビタミンC0.5mg

・カルシウム90mg

・鉄0.7mg

 

が含まれています。

 

なるほど、マジマジ見たことなんてないけど、これは確かに見事な糖質と脂質の宝石箱ですわ。

 

原材料筆頭である砂糖。
砂糖には、脳の唯一の栄養であるブドウ糖が含まれていて超大事。

スニッカーズにぎっしりつまっているピーナッツは脂質
ピーナッツはじめナッツ類は登山の行動食としても人気で、脂質のほか汗で失われるミネラルが含まれています。

水飴には、鉄分、リン、たんぱく質が含まれています。
吸収が遅く血糖値の急激な変化がないのもポイント。

 

さらに。
カカオマスに含まれるカカオポリフェノールにはストレスへの抵抗力を高める効果、テオブロミンにはリラックス効果があり、極限状態でのメンタルに良さそうな予感。

 

また、寒いと体温維持の為に基礎代謝があがります。
つまり体温を維持するにはカロリーが必要ということ。
一本で247kcalものハイカロリーは、雪中ビバークを強いられているこの場合最適でしょう。

 

逆にほたるさん(大)とハジメちゃん(中)がうっかり水着で遭難・・・つまり暑い場合は?
暑いと基礎代謝は下がります。
しかし発汗によってミネラルが失われるので、ミネラル豊富なナッツが原材料に含まれているスニッカーズはやっぱり有効です。
これは、スニッカーズが活用される水着回も期待できるってもんです。
サヤ師(無)メインで。

 

あえて欠点をあげるとすれば、味。
スナックバーの味は、機能性優先のため二の次とされてきました。
とはいえ、その中でも比較的スニッカーズはかなり美味しい部類といえるでしょう。(本当に)。

 

参考までに。
過去にほたるさんの兄を肥えさせたことがあるというじつにアメリカンなカロリーのスニッカーズ。
スニッカーズをはじめとしたスナックバーがどれほどハイカロリーかというと、スニッカーズで作ったパイに料理評論家が苦言を呈するレベル。
そもそもそのパイがクレイジーレシピであるという点はおいといて。
スニッカーズをはじめ、スナックバーは栄養的には日常的な食品ではないのです。
つまり、逆に言えば非常時にはもってこいといういうこと。

 

もしかしてこれ、家庭用の非常食グッズとしてもイケる?

 

イケます。

スニッカーズの賞味期限は製造日から300日程度。

直射日光・高温多湿をきっちり避ければ、1年程度はまぁOK範囲ですので、非常食の仲間入りも可能。やりおる。

 

 

おっとこんな物騒な数字が。
飽和脂肪酸13g!
トランス脂肪酸0.4g!
コレステロール9mg!
確かに、毎日もぐもぐするものじゃないな・・・

 

こうして、ほたるさんが持っていた駄菓子、スニッカーズのおかげで無事生還した二人。
お出かけの際には、もしもに備えていつもポケットにスニッカーズ。

まあ、二人が遭難し、ビバークしていたのは、駄菓子屋そばの橋のたもとだったわけですが・・・

 

だがしかし。
問題は、このスニッカーズが駄菓子であるかどうかというところ。
ほたるさんは最後まで自信なさそうにしていましたが・・・
さて、スニッカーズは駄菓子なんでしょうか?

サバイバルポイント

・スニッカーズはハイカロリーで糖質・脂質・ミネラルなどが豊富
・コンパクトでハイカロリーなスニッカーズは携帯非常食になる
・ただし日常的に食べまくるカロリーとは言い難い