怒ると胃に悪いぞ。
胃が悪いとごはんが食べられなくなるんだ。
ごはんが食べられないとお腹が空くじゃないか。
お腹が空くと怒りっぽくなるじゃないか。
怒ると胃に悪いんだ。
胃が悪いとごはんが食べられなくなるんだぞ。
ごはんが食べられないとお腹が空くじゃないか!
・・・お腹がすいたよ~
ということで。
もしもサバイバルなタイミングでお腹がすいたら?
そんな時は、食べ物さがしからスタートになるでしょう。
けれど、あなたが見つけたものは本当に食べ物ですか?
食べ物の基準ってなんですか?
例えば食虫民族の地として名高い信州には、バッタソフトという名物があります。
ソフトクリームにバッタ(イナゴ)がブッ刺さったその姿は「食べ物じゃねーよ」なんですが、バッタ(イナゴ)を栄養面で評価してみるとカルシウム・ナトリウム・リン・亜鉛・鉄・ビタミンAが豊富で、とっても優秀な食べ物であることがわかります。
何より、毒性がなく無害という点で、バッタ(イナゴ)は立派に可食、つまり「食べ物」。
食べ物であるかどうかの基準は見た目ではないのです。
今回は漫画『ソウナンですか?』で、
見た目ではわからない食べ物か否かをジャッジする可食性テストの方法を、主に毒性の有無メインに学んでみましょう。
漫画『ソウナンですか?』は、週刊ヤングマガジン連載中。
絶海の孤島にソウナン、つまり遭難した四人の女子高生つまりJKが、逞しく&賢く&愛らしくサバイバルしていくストーリー。
体育会系の鈴森明日香、裕福に育つ九条紫苑、勉学優秀の天谷睦、そしてサバイバルが得意の鬼島ほまれと、キャラクターの配置具合が絶妙にゼロ年代的日常系。
サバイバルという非日常を描いた日常系という構図がおもしろいところ。
まとっている空気は確実に日常系ですが、ネタはキレてます。
というのも、原作は『山賊ダイアリー』の岡本健太郎氏。信頼度は抜群です。
第一話で、さっそくトビウオを布で絞って水分を得る方法を披露してくれるなど、ガチにサバイバルな内容です。
可食性テストが登場するのは6話。
遭難して三日目、空腹がクライマックスジャンプの明日香は、日除けのためのシェルターを作る材料探しのために森へはいるほまれについて行くことに。
食料になりそうなものをほまれにジャッジさせようとたくらんでいたのです。
ところが。
基本、サバイバルなシチュエーションで見つかる「食料」というのはわりと虫系です。
ほまれが食べ物判定したのも、明日香が見つけたきのこではなく、ビロードスズメ蛾の幼虫でした。
※いや、マジですごいなこいつ(昆虫会では有名らしい)。
蛇に擬態したビロードスズメ蛾のツチノコライクなルックスに、思わず泡を吹いて倒れる明日香。
体育会系のショートカット美少女が虫に弱いヘタレっていうのが、実に日常系っぽくてイイネ!
さらに明日香は実はお婆ちゃんっこという萌属性(イイネ!)も備えているのか、お婆ちゃんちで見たサトイモそっくり!と謎の芋を発見して喜びますが、ほまれはバッサリ。
あくまで、ビロードスズメ蛾の幼虫を推します。
明日香は、きのこよりも、芋よりも、ビロードスズメ蛾を食べ物として選ぶほまれのことが信じられません。
確かに、日常では、食料としての信頼性は「芋>幼虫」でしょう。
しかし、この芋は正体不明の芋。
一方、幼虫の方はビロードスズメ蛾であることがわかっている身元明らかな幼虫です。
サバイバル状況下においては、食料としての信頼性は「由緒正しいビロードスズメ蛾の幼虫>正体不明の謎芋」なのです。
ですが、納得できない明日香。
そんな明日香を説得するために、ほまれはパッチテストを提案。
明日香のスカートをめくりました。
スカートをめくりました。
スカートをめくりました?
はい、サバイバル勢解散!
日常系のテコ入れの鉄板!百合展開かよ!
・・・となりそうなところですが、落ち着いて読んで欲しい。
ほまれ曰く、未知の物を食べる前には、手順があるのだそうです。
その手順が、可食性テスト。
食べずに毒性や害の有無をチェックするため、皮膚のデリケートな部分に食べようとしている食材を押し当て、15分ほどおいて様子を見るパッチテストを行うのです。
この、パッチテストのために選ばれたデリケートな部分が、明日香のおしりだったというわけなのですが・・・
おしりを犠牲にした明日香はかわいそうですが、この謎の芋はすぐにかぶれはじめるほどの毒性を持っており、どうやらクワズイモ(毒)であることが判明。
食べられないことがわかりました。嗚呼。
ちなみに、パッチテストの後は水洗します。
ほまれも貴重なペットボトルの水を使って、明日香のパッチテスト跡を洗っていました。
サバイバルにおいて、食料の確保は重要です。
5話でほまれにより語られた「サバイバルの3の法則」によれば、人は適切な体温が維持できなければ3時間で、水なしでは3日間で、食料なしでは3週間で、死に至るといいます。
ところが、食料として安全なものであるかどうかの判断においては、日常の常識は通用しないことを覚えておきましょう。
スーパーマーケットでなら「芋>虫」ですが(信州人以外)、サバイバル状況下では「虫>越えられない毒の壁>芋」かもしれないのです。
その判定のためには可食性テストという手順があり、まずはパッチテストにより害の有無をチェックする必要があります。
パッチテストのテスト部位は、おしりよりも腕の内側などが一般的なようなので、覚えておくとスカートをめくったりめくられたりする必要がなくなります。
サバイバル中にお腹が空いたら、何はともあれ可食性テスト。
可食であれば、イナゴでもザザムシでもなんでも喰らえ!
冒頭の「究極超人あ~る」のような空腹ループにならぬよう、安全なご飯を見つけてちゃんと食べましょう。
サバイバルポイント
・食べられるかどうか、まずは可食性テスト(パッチテスト)
・食材を皮膚のデリケートな部位につけて15分ほど様子を見る
・腫れ、かぶれなど異常ががあれば毒性
・パッチテストの後は水洗
・パッチテストな部位は腕の内側が一般的