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マンガ『ベントラーベントラー』でエスペラントの可能性を学ぶ

[WRITER] ダクトテープ

文部科学省の資料によると、世界中で使われている言語のうち、母語人口の多い言語ベスト3は、

 

中国語

英語

スペイン語

 

また、list25による世界で影響力のある言語ランキングトップ3は

 

英語

フランス語

スペイン語

 

となっています。

 

このように言語の占有率というのは、人口、経済、政治力など、その言語を使用している国家・民族のパワーによる影響が大きいものです。

 

では、もしも国家のパワーバランスが大きく崩れることがあったら?
社会情勢が大きく変化したら?
国家の垣根が無くなったら?

 

果たして、英語は世界のメジャー言語で居続けられるのでしょうか。
中国語は?フランスは?スペイン語は?

 

ギリシャ経済危機、イギリスのEU離脱、ジャニーズ帝国崩壊、まさかのトランプ大統領爆誕・・・などなど、可能性はないわけではないというか、いつかは絶対に起こるであろう日常の終わりを生き延びるために必要な言語とは?

 

そこで、こんな可能性を考えてみることにしました。

 

テキストは、漫画「ベントラーベントラー」

月刊アフタヌーンに連載されていた、野村亮馬氏によるゆるーいSF漫画です。

 

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侵略もせず、説教もしない地球外星人(宇宙人)が日常的に存在する近未来。
首都圏民営警察外星生物警備課は、外星人が起こすトラブルを解決する部署。
そこに勤務する主人公の牧野澄子(すみちゃん)と、彼女を気に入ってからんでくる外星人・クタムが物語の中心です。

その最終章で、すみちゃんは外星人の非殺傷型時間機雷に巻き込まれてしまいます。
どういうことかというと、戦闘を好まないタイプの外星人が自衛のためにやむなく対象者(物)を隔離する装置が、すみちゃんに対して作動してしまったのです。

元の世界への帰還には公転700回分の時間、つまり700年間が必要。
こうしてすみちゃんは独り、700年後の地球で目覚めることになるのでした。

目覚めたのは、日本の羽田空港の周辺・・・と言っても、なにもかもが違う景色。
廃墟の並ぶ中で、やっと出会った人にたどたどしい英語で話しかけるも、通じません。
この人物は実は祖母に教え込まれたという偶然のおかげかつすみちゃんにとっては幸運なことに日本語が分かる希有な人物だったわけなのですが、日本語を話すすみちゃんに対して「珍しいな」と言っています。
ここが日本であるのにもかかわらずにです。

 

日本であっても日本語が珍しく。
通じるかもしれないと思われた現代のメジャー言語・英語は通じない。
700年後のこの世界では、いったいどんな言語が話されていたのでしょうか。

 

それはエスペラント語。

 

ほどなく、すみちゃんは彼女を心配してクタムが地球に残した彼の分身からここでの世界共通言語がエスペラント語であり、これさえ習得すれば誰とでも話せるということを教わるのでした。

 

さて。
「ベントラーベントラー」作中での700年後の世界共通言語・エスペラント語ですが、果たしてエスペラント語がどんな言語かご存知でしょうか。

 

試しに三択問題行ってみましょう。
「三分待ってやる」(ムスカ大佐)。

 

問)エスペラント語とは何か?

<イ>国際暗号協定に基づく読み下し文専用言語。
<ロ>エスペランド公国の古代語から発展した現在の母語。
<ハ>ルドヴィコ・ザメンホフ考案の国際補助語。

 

 

 

 

 

正解は・・・ <ハ>ルドヴィコ・ザメンホフ考案の国際補助語でした!

 

ちなみに。
<ロ>はうちの母が幼い澄んだ瞳の私を騙したやつです。
<イ>は瞳が濁ってきた頃の私が従姉妹に教えてあげたやつです。

 

ルドヴィコ・ザメンホフは歯医者さん。

 

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民族や言語の入り乱れるポーランドに生まれ育ち、民族間の諍いは共通の言語で解決できるのではないかと考えるようになります。
彼は母語が異なる人々のためのコミュニケーションの言語=国際補助語としての人工言語の考案に尽力。
こうしてエスペラント語が誕生し、世界でもっとも普及し、知られている国際補助語となったのです。

 

そう、世界でもっとも普及し、知られている・・・

 

ツナカン「知らない」
ダクトテープ「え?」
ワセリン「知らない」
ダクトテープ「え・・・?」
ガスボンベ「なぁにそれ?」
ダクトテープ「………」

 

 

ナ、ナンダッテー!!!

あまり知られていない!?

 

でも大丈夫。
エスペラントの意味は「希望しつつある者」。
エスペラント語が世界共通言語となる日を希望していればいいのです!

 

世界が大きな変化を迎えた後、エスペラント語のような国際補助語を理解できれば、コミュニケーションに希望が持てるのではないかと思います。

 

エスペラント語は、決してオカルトやSFの世界の話ではなく。

 

教科書にだって出てくる民俗学者の柳田國男

5000円札男の新渡戸稲造

銀河鉄道の夜を走り抜けた宮沢賢治先生

 

などなどが、多大なる影響を受け、本気で議論をしていた言語なのです。

 

たとえ世界の急変を待たずとも、これからの世界を生き残るために国際的なコミュニケーション術が重要なのは間違いないでしょう。
エスペラント語とは言わず、例えば現代の国際的なメジャー言語である英語をベースとした国際補助語であるベーシックイングリッシュなどを体得しておくことは、知力の上での非常に有力なサバイバル術となるはずです。

 

言葉が通じないと、相手が何を考えているのかわからないので、恐怖を感じます。

恐怖を感じた人間は、攻撃に出てしまいます。

一度攻撃された人間は、報復します。

報復された人間は、やはり報復に出てしまいます。

 

はいこれ、いつまで経っても変わらない人類の戦争の歴史そのまんま。

ルドヴィコ・ザメンホフ氏の考え方は、とっても正しい気がするのです。

 

コミュニケーションをとれるということは、それだけでお互いの恐怖を消しあえる効果もあるのです。

や、やはり現段階で英語くらいは話せないとマズい気がしてきた。

 

最後に簡単なエスペラント語をひとつ。

Ĝis revido!(さようなら!)

サバイバルポイント

エスペラントやベーシックイングリッシュなどの国際補助語は知力的な意味でのサバイバル術になる