突然ですが、皆様、ズベ公系女子は好きですか?
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当方、初心者ながらこれが大好物で、テレ東で唐突にやってるガールズバディものとか女囚ものとか、ご飯が何杯でもいけちゃいます。
最近では『マッドマックス』がまさかのややズベ系シスターフッドムービーだったんで大満足でございました。
国産ズベ公では、アイドルグループの℃-uteの皆様がズベ公いけるんじゃないの?と定点観測してたのに、まさかの解散!
三次元における国産ズベ公に失望した現在、マイソウルズベ公はもはや二次元に求めるしか!
・・・ということで、心の支えとなっているのが、沙村弘明大先生の『ベアゲルター』でございます。
「シリウス」で絶賛連載中の、昭和のズベ公映画大リスペクト漫画でございます。
ようはズベ公が出てきてかしましくキャットファイトしてればそれでオイシイわけなのですが、せっかくなのでちゃんとあらすじも説明しておきましょう。
主人公の忍(住所不定のズベ公)はふとしたことからヤクザのシノギのいざこざに巻き込まれ、故郷である離島・石婚島(いしくなぎじま)へ帰ることに。
しかし、そこはかつての漁村ではなく、ヤクザ、製薬会社が跋扈する魔の巣となっていたのでした。
ヤクザが面倒をみている韓国系のスーパー補聴器少女・ソリ(ズベ公)、利害の一致をみて行動を共にするようになったドイツ人のサイボーグ義手経産婦・ナミ(ズベ公)、そして今のところ敵対している製薬会社の飼い犬で中国人の電撃ショック女・睫毛(ジェマオ、食レポ役ズベ公)が入り乱れ、非常に豪華絢爛なズベ公曼荼羅を繰り広げてくれています。
そこへ、最近、ズベ公界の天使・もうひとりの忍ちゃん(国籍不明)も登場してくれてうっはうはな状態で、三巻まで発売中でございます。
で、単に自分のズベ公趣味を大公開してるだけかというとそう言うわけでもなく、この『ベアゲルター』三巻に、非常に大切なサバイバルの知恵があるというのが本題なんです。
本当ですってば。
三巻にあるサバイバルの知恵、それは!
女性の部屋にあるもので戦ってサバイバル!
ズベ公的バイオレンスな状況になったときには必須のサバイバル術なんではないでしょうか。
三巻では、娼婦に扮して再び島に降り立った忍・ソリ・ナミのズベ公三人衆が、対抗勢力の一味である謎の夫妻(?)と直接対決することになります。
バトルステージは、なんと忍の生家。
無人のはずの生家に人気があるのを不信に思った忍が立ち寄ってみると、そこには謎の夫妻が忍の両親を名乗って暮らしていたのです。
探りを入れるべく、謎の夫妻と身の上話をするうちに、亡き母を侮辱された忍が激昂。
弁髪男性vs.ナミ、インド風女性vs.忍という展開に。
忍は二階の自室へ逃げ、そこであるはずのないチェーンソーなどを探しますが、ドレッサーにあるものを見つけ、インド風女性への対抗手段とします。
それは、
ガラス瓶入りの除光液(エナメルリムーバー)。
マニキュアを落とすのに使う薬品です。
ポイントはアセトンが入っていること。
はじめ、忍はこの除光液を着火剤にしようとして瓶のふたを開けにかかります。
が、固くてあきません。
そこで、瓶を投げつけます。
が、割れません。
化粧品の瓶って、結構がっちりしたガラスなんですよね、あれ。
これにはインド風女性も大笑いで油断しまくります。
ところが、突然瓶が破裂し、除光液がガラス瓶の破片と共にインド風女性へと吹き飛びます。
普通に瓶のふたをあけて除光液をふりかけるよりも大きなダメージを与えることに成功しました。
一体、何がおこったのでしょう。
ポイントはアセトン入りの除光液であったことです。
アセトンは揮発性の有機化合物。
マニキュアを溶かして落とす働きがあり、除光液に配合されていることがあります。
しかし、問題はその揮発性と引火性。
非常に揮発性が高く、密封した状態で激しく振ると、蒸気圧により容器が破裂してしまいます。
また、およそ20℃で引火してしまいます。
忍はこのアセトンの揮発性を利用して、投げつけることで蒸気圧破裂をおこしたのです。
忍曰わく、アセトン入り除光液を振って瓶が破裂し、怪我をしたという事故は全国紙に載っていたとのこと。
ちょっと調べたら、国民生活センターの判例に似たような物がありました。
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「除光液を混ぜたら破裂したマニキュアの瓶」
擬似餌(ぎじえ)の鉛の表面をマニキュアで塗装しようと思い、新品のマニキュアに除光液を混ぜて蓋をしたら、瓶が破裂して、周囲のカーペットが汚れてしまった。マニキュアにも除光液にも、混入に対する注意表示はなかった。(30歳代 男性 無職)
【コメント&解説】
当センターで数種類のマニキュア、除光液、希釈剤の表示を確認したところ、希釈剤には混入に対する注意表示がありましたが、マニキュア・除光液には注意表示のある商品とない商品がありました。
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参考文献:http://www.kokusen.go.jp/jirei/data/200311_1.html
自動車や家具の塗装がはがれたときに応急処置をする、今回の事例のように疑似餌(ルアーのこと)の作成に用いるなど、マニキュアを好みの粘度にして使用することがあるようですが、使用方法によっては、思わぬ事故が発生します。色を混ぜて作ろうとして、マニキュアとマニキュアを混ぜたところ、瓶が破裂して親指を9針縫うという事故も発生しています(なにこれこわい)。
日本化粧品工業連合会によれば、粘度が高くなったマニキュアの希釈には希釈剤を用い、容器の表示(「中味が膨張し瓶が割れることがあります。瓶の上部に十分な空間を残しておいて下さい」等)に注意をして欲しいとのことです。
ケースによっては親指を九針・・・結構なダメージです。
カーペットが汚れただけで済んで良かったね!
さてさて。
無事、アセトンの揮発性による蒸気圧を利用して瓶を破裂させ、ガラス片と除光液を振りかけることに成功した忍。
続いて、アセトンの引火性の高さを利用できるかと思いきや、これはそうはいかず。
忍は除光液を見つけたドレッサーで、ライターとヘアスプレーも発見していました。
このヘアスプレーとライターでインド風女性に火炎放射を!とかまえたものの、ライターのガスが切れていて、不発に終わります。
しかも、こともあろうにライター&スプレーを奪われ、逆にこんな講釈をうけつつ己の身を焼かれることに。
『例えガスの切れたライターであっても、先にヘアスプレーを拭いてからライターの火花を着火させれば火炎放射は可能!』
てなことをオーホホホホと言い放ちながら、忍に炎を浴びせかけるインド風女性。
絶体絶命の忍・・・ですがこの後、表で待機していた助っ人が入り、形勢逆転。
正直、この形勢逆転がミラクルすぎて絶対に読んで欲しい感じなんですがとりあえず形勢逆転して、忍のターンに。
今度は忍が先にガス管からガスを放出しておいたところへライターの火花を着火させ、除光液を浴びたインド風女性へとどめをさします。
インド風女性の講釈を実践しての勝利、といったところでしょうか。
結果的に、忍の両親になりかわっていた謎の夫妻(?)は成敗、忍の生家は全焼。
このように、女性のドレッサーには物騒な物がごろごろしています。
女性の部屋で起きたバイオレンス沙汰には、ぜひこれらをご活用・・・ではなくむしろご活用されないようにご注意ください。
女性って怖いですね!
でもそこが良いですね!(?)
ということで、今回出番のなかった睫毛もすっごくいい感じに活躍するんだよと『ベアゲルター』を推しつつ、あえて『無限の住人』実写版には触れず、再会!
サバイバルポイント
女性の部屋で武器になるもの&けっこう危ないので注意
・アセトン入り除光液は激しく振ると蒸気圧で破裂する
・アセトンは引火性が高く20℃で引火
・ライターのガスが切れていても先にスプレーを拭いておけば火炎放射可能