殴り合いの喧嘩って、とってもイヤですよね?
イ、イヤですよね!?(同意を求めたい)
僕はバイオレンスは大の苦手ですので、そういった強さに憧れとかありませン。
強さって何ですか?みたいな疑問はありませンし、
修正してやる!みたいな気概もありませン。
ぜんぜん頑張りません。そんなことにならないようには頑張ります。
何とか話し合いでお願いしたいところです。
せっかく前頭葉が発達してるんだから、そこはほら、言語で。
とは言え。
世界はそこまで理性的ではないので、
問答無用の瞬間はあったりなかったりしてしまいます。
特に腕力があるわけでも、鍛える時間があるわけでもなし、フィジカルも平均的。
そんな素人が致命傷となるようなトドメを刺さずに相手に勝つことは、実は逆に難しいものなンです。
格闘技のプロの試合って、そうそう死人は出ませンよね?
試合ではレフェリーがいるので当然かもしれませンが、
そういったプロの方が路上で喧嘩になっても(そもそも喧嘩なんてしませんが)、
余裕で気絶させて、決して行き過ぎてしまうことはないンです。
そう、あれは、どれくらいで人間が戦闘不能になるかが、わかっているンです。
だからプロなんです。
素人は、そういった加減がわからず、
パニくってる上に、アドレナリンやら反撃される恐怖やらで、相手が動かなくなっても攻撃し続けてしまうンです。
格闘素人の喧嘩が一番危険です。
致命傷にならないダメージを相手にあたえつつ自分を守る現実的なテクニック。
それらを『兎~野生の闘牌~』8巻で学ンでみましょう。
『兎~野生の闘牌~』は、伊藤誠先生の麻雀漫画です。
麻雀漫画、です。
近代麻雀オリジナルにて1996年に連載開始され、未だに不定期連載中という、
何気に長い歴史を持っています。
いわゆる裏社会モノ、ですので、バイオレンスも満載です。
パチスロ化や映画化もされていますので、目にしたことがある方も多いのでは。
一般的な麻雀漫画の有名作といえば、
『哭きの竜』
『天牌』
『天– 天和通りの快男児』
『アカギ~闇に降り立った天才~』
『哲也~雀聖と呼ばれた男~』
『咲-saki-』
(現実的順)
このあたりがやはり誰もが知っているところでしょうか。
『兎~野生の闘牌~』は、麻雀漫画の中でもいわゆる能力バトル系に分類されますが、
主人公の能力が、“危険察知能力”という、“振り込まない能力”になっており、
だから”兎”なワケですが、主人公らしからぬ地味な設定に、当時は感心したものです。
だって、ねぇ?
これはこれでトンデモ能力ですけれど、
同じ能力バトル系の『咲-saki-』では、主人公が嶺上開花3連発とかしますからね。
主人公の能力って、そういうものだと思うんですけど。
(『咲-saki-』はぶっ飛びすぎてて麻雀漫画に分類してはいけないのかもしれませんが)
さて。
素人格闘の講師は主人公の所属する麻雀チームのメンバーにしてボクサー・柏木成駿。
生徒であり実践者は麻雀に特殊能力があるものの、他は普通な主人公・武田俊です。
・・・武田俊は、どうしても乱入したい麻雀の対局のために、
正規の参加者であるプロ雀士と、乱闘騒ぎを起こす決心をしたンです。
まずは一人目。
出会い頭に顎に一発。
きれいに決まり、相手は昏倒。
続いて二人目。
これは武田の攻撃にかっとなり、反撃してきたンです。
この相手のパンチをあえて頭で受け、相手の拳にダメージを。
立ってはいますが、戦意喪失してるンで、今回の目的はクリア。
さらに三人目。
心臓に肘で一撃。
これらは、柏木によるアドバイスを実践したものなンです。
シーンとしては一瞬ですが、これらは全て、理にかなっているワケですね。
一撃必殺を狙うなら顎を狙うこと。
ダイレクトに衝撃が伝わり、脳を揺さぶります。
戦意喪失狙いなら、鼻に一発でも良い。
この一撃必殺の成功には「出会い頭の不意打ち」というのも効いていたと思うンです。
そして相手のパンチはなるべく頭で受けること。
頭は固いので、よほどでなければ拳が先に傷みます。
重要なのは顎を引くこと。
そうでないと上記の通り脳が揺れるンです。
心臓への一撃は、相手の動きを一瞬止めることができます。
(いわゆるハートブレイクショットですネ!)
この一瞬の隙に、顎に一発入れるのが柏木のおすすめ。
また、肘打ちはリーチが短く方向にかぎりはあるものの、鋭角的で堅く、自分へのダメージが少ない部位ですので、効果的に使えばかなり有効な攻撃手段となるンです。
実は主人公にはとある資質があり、そのためこれらの実践がうまく行ったというのがあらすじですが、
どれもいざという瞬間のために知っておきたい知識なンです。
ゆーても、一般人にはちとキツイ実践ですけれど。
少なくとも、これで戦闘不能になりやすい状況はわかりますし、
素人が闇雲に拳を振り回したところで、どうにもならないこともわかります。
この3つを実践できれば、相手をひるませる時間くらいは作れるかもしれません。
で、逃げましょう。
駄目ですよ、戦っちゃ。
ちゃんと日々の生活を持っている方は、
勝っても負けても、殴り合うメリットなんてひとつもないンですから。
今回の教訓なンです。
以上、ダクトテープだったンです。
あンた背中が煤けてるぜ。
サバイバルポイント
一撃必殺狙いは顎に。
相手のパンチは顎を引いて頭で受ける。
心臓への一撃は相手の動きを一瞬止められる。
で、逃げる!