皆さん、トリアージ「triage」知っていますか?
この言葉は、
鬼才(と言わせていただきますが)古屋兎丸先生の、
新潮社出版『彼女を守る51の方法』3巻に出てくるのですが、
簡単に言うと、
災害時に負傷した人の、治療の優先順位を決める
ことで、
“災害時医療”で最も重要と言われている、
3つの要素『3T』の一つです。
他の二つのTは、治療「Treatment」と、搬送「Transport」ですね。
『彼女を守る51の方法』は、
地震でお台場が崩壊するところから始まる震災ものです。
各巻末の解説を、防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実先生がやっていることもあり、
リアリティがかなーりハンパないです。
ただ、51個、かなーり多くて覚えられませんっ。
女性の方にはけっこうしんどいシーンも多いのですが、
震災後に起こることを想定しておく、
自分の身をどう守るかを考えておく、という意味では、
是非とも一読しておいて欲しい内容になっています。
さて、災害時は、時間との勝負なので、
とにかく命に危険が迫っており、かつ助かりそうな人が最優先になります。
例え目や足がどうにかなっていても、骨が折れていても、
即刻、命に危険がない限りは後回し、ってなワケです。
このジャッジ自体は、原則、医療関係者の方が行うワケですが、
これは緊急時ゆえに超合理的な判断の元で行われ、
ある意味、非人道的にすら見えるかもしれません。
既に死んでしまっている場合は放置になりますし、
かなり出血している人よりも、
外傷がない人が先に治療されることもあります。
これはもう、おそらく一般人では区別がつきません。
もし、その現場で自分が後回しにされたら?
自分が生き残るためには、真っ先に自分を治療してもらいたい!
と思うのはまぁ当然の話であり、
後回しにされたことにかなーり怒りを覚える人もいるでしょう。
ですが、ここは無理でも冷静になっていただきたい。
後回しにされたということは、
あなたは大丈夫なんです。
すぐに死んだりはしないんです。
逆に、
暴れて怪我や出血を悪化させたり、
運命共同体となるコミュニティの中で浮いた存在になったり、
医者の邪魔をすることで誰かの治療が遅れてしまう。
そんなことになった方が、よっぽど自分の身が危険になります。
そういった集団の中では、命を脅かす存在だと思われたら、終わりです。
誰も助けてくれなくなるワケです。
全員が死に瀕している状況下では、
自分だけ生き残ろうとする行為は非サバイバル、
映画なら完全にDEATH FLAGです。
ここ、一匹オオカミ気取るとこじゃないですから。
医者の目的は一人でも多くの命を救うことで、
その場のみんなの目的は、一人でも多く生き残ること、
のはずです。
ちゃんと合致しています。
安心して、待ちましょう。
ものすごく、痛いかもしれませんけど。
僕は昔から、かなーりの大怪我を良くしてきましたが、
経験上、痛いときは大丈夫なときです。
大腿骨を折ったときは、
あまりの激痛で「死ぬ!」を連発していましたが、ぜんぜん生きてます。
堤防から落ちて頭が割れたときは、
「これはさすがに死んだかなー?」ってくらいに
流血がアスファルトを染めていましたが、ぜんぜん生きてます。
頭部は血管も血流も多いので、派手に出血します。
しかし動脈さえ切れてなければ、止血は可能です。
それよりも。
人知れず海で溺れかけた時の方が、よっぽど死が近かった気がしますし、
(これ以降、僕は海には行っても入りません!断じて!)
あまり痛くなかった(本当に痛くなかった)肋骨の骨折の方が、
お医者さんには危なかったと言われました(破片が肺に刺さりそうだったらしい)。
これは死ぬ、と思えていないときの方が、
危ないってことです。
あ、ちなみにですが。
残念なことに、走馬灯は一度も見たことがありません。
はいそこ。
大した想い出がないからじゃない?
とか言わない。
あ、あるわい、想い出くらい。。。
僕は医者の心得とかまったくありませんが、
呼吸系と内臓系、これがかなーりヤバいんだと思います。
どちらも、見た目じゃ判断できそうにないやつ。
これを医者の方は見抜いているはずですので、
危急の際には、冷静に医者の方を信じて待ちましょうね。
そういえば。
昔は怪我ばかりでしたが、
大人になったのか、ここ10年は怪我も病気もしておらず、
死ぬなんて思ったことはないですねー。
・・・おや?・・・もしかして今が危ない・・・のか?
サバイバルポイント
トリアージには素直に従おう