単調になりがちな「おうち時間」。
刺激が欲しいなら、知識面からの刺激はいかがでしょうか?
しっかり楽しみながら、漫画で日本史を振り返ってみましょう。
知っているはずのあの時代、あの有名人にも、きっと新発見があるはず。
おうち時間で歴史を学ぼう!
おすすめ!歴史マンガ3選の「日本史編」です。
『応天の門』
著者:灰原薬
掲載誌:月刊コミック@バンチ
出版社:新潮社
単行本12巻まで発売中
『応天の門』あらすじ
9世紀、平安京。
災いは鬼や物の怪の仕業であると信じられてた時代。
都を守護する左近衛権少将・在原業平と、まだ大学寮の学生であった菅原道真がさまざまな怪異を解決するクライム・サスペンス。
東京大学 史料編纂所の本郷和人教授が監修しています。
『応天の門』おすすめポイント
若き道真は豊富な知識を持つリアリスト。
当時の常識にとらわれることなく事実を積み上げていくことで、さまざまな怪異を原因のある「事件」として解き明かしていきます。
常識だと思い込みがちな通俗や風習の裏側には、実は合理的な理由があったりもするもの。
そういったことを想像すると、その時代の人々の思いや考え方を理解できることもあるでしょう。
あるいは、そこに隠された政治的・社会的な事実を発見できるかもしれません。
そんなふうに歴史を推理する楽しみを教えてくれる作品です。
貴族社会だけでなく、平安期の庶民の様子も描かれており、果てしないほどの格差を突きつけられるエピソードもあります。
『新九郎、奔る!』
掲載誌:月刊!スピリッツ→ビッグコミックスピリッツ
著者:ゆうきまさみ
出版社:小学館
単行本3巻まで発売中
『新九郎、奔る!』あらすじ
15世紀、室町時代。
一揆伊勢備前守家の次男・伊勢千代丸は、預け先から京の実父の元へ戻されますが、一家は都落ち。
伊勢家が諸大名との友好に努めるなか、千代丸は細川勝元、山名宗全らと出会います。
やがて世の中は応仁の乱、そして動乱期へ。
後に北条早雲と呼ばれることになる、伊勢新九郎盛時の生涯を描いた作品です。
『新九郎、奔る!』おすすめポイント
戦国時代の先駆けとされる北条早雲。
これまでの早雲のイメージは「身分の低いノンキャリアの素浪人からのし上がった下克上武将」「50を過ぎてから世に出た大器晩成型」・・・といったものが一般的でした。
しかし近年、早雲は決して身分が低かったわけでもなく、またそれなりの教育を受けて育ったことがわかってきました。
この作品で描かれているのは、そのような新しい情報に基づいた早雲像です。
さらに、山名・細川両名のエピソードにも新解釈が盛り込まれ、クセあるおっさんぶりが楽しめます。
歴史は過去のものですが、その研究は現在進行形。
常に新発見があり、最新情報が更新されているものです。
そんなところも歴史の魅力の一つだと思います。
『合葬』
著者:杉浦日向子
掲載誌:ガロ
出版社:ちくま書房/小池書院
全1巻
『合葬』あらすじ
幕末、最後の将軍・徳川慶喜の時代。
寛永寺に蟄居する慶喜の警護のために組織された「彰義隊」は、慶喜が水戸へ移された後も寛永寺に残っていました。
友人であった秋津極、吉森柾之助、福原悌二郎の三人は、事情や思いはおのおの異なるものの彰義隊へ参加。
ついに新政府軍との上野戦争を迎え、散っていくのでした。
『合葬』おすすめポイント
私たちが知っている歴史の多くは結果です。
つまり、負けることも報われないことも叶わないことも、すでに知っているのです。
ですが、それは本当に知っていることになるのでしょうか?
この作品に登場する彰義隊は、わずか10時間の上野戦争で全滅します。
そこに至るまでの短い日々をそれぞれの立場から描くことで、「なぜそうしたのか?」「どうしてそうなったのか?」を私たちに考えさせてくれる作品です。
サバイバルポイント
新発見は脳をリフレッシュしてくれます。
おうち時間を退屈させることはありません。
しかも、教養のブラッシュアップにもなって一石二鳥。
日本史漫画で、おうち時間を楽しく有意義に過ごしましょう!