おうち時間が長いからこそ、できることがあります。
たとえば、世界史のお勉強なんていかがでしょうか。
そこで今回は、自宅待機中に読んでおきたい、ヨーロッパの歴史漫画のおすすめをピックアップ。
過去から学ぶことって、意外と多いもの。
こんな時だからこそ、歴史を見直してみましょう!
『ヒストリエ』
著者:岩明均
掲載誌:月刊アフタヌーン
出版社:講談社
単行本11巻まで発売中
『ヒストリエ』あらすじ
紀元前4世紀の古代ギリシア。
主人公は、マケドニア王国・アレキサンダー大王の書記官となる「カルディアのエウメネス」。
謎の多い人物であるエウメネスを「裕福に育ちながらも謀略から奴隷の身分に落とされ、しかしながらその類い希な頭脳をもって数奇な運命を辿ることになった人物」として描いています。
『ヒストリエ』おすすめポイント
世界史でおなじみのアレキサンダー大王、およびその父であるフィリッポス2世など、時代を作った英雄の活躍はもちろんのこと、注目はゆっくりじっくり進む展開だからこそ細かく描かれる思想・学問・生活様式といった当時の文化です。
「文化が違う」という台詞がよく登場しますが、この時代における文化の差の凄まじさは、私たちの想像以上。
好奇心旺盛で観察眼の鋭いエウメネスを通して古代世界の文化の差異を知ることで、東方遠征によるヘレニズムのダイナミズムがより強く感じられるようになるのではないでしょうか。
『薔薇王の葬列』
著者:菅野文
掲載誌:月刊プリンセス
出版社:秋田書店
単行本13巻まで発売中
『薔薇王の葬列』あらすじ
15世紀のイングランド。
シェイクスピアの戯曲「リチャード三世」「ヘンリー六世」からイメージを膨らませ、ヨーク家とランカスター家の間で三十年にわたって繰り広げられた「薔薇戦争」を描きます。
主人公は、大胆な解釈でキャラクター造形されたリチャード三世。
『薔薇王の葬列』おすすめポイント
両性具有という設定のリチャード三世、そして彼と密かに心通わせたヘンリー六世。
ともに男であることに苦しみ、追い詰められた存在です。
一方、リチャード三世の母であるヨーク家王妃・セシリーの愛憎、対するランカスター家王妃・マーガレットの女傑っぷり、エドワード四世に嫁いだエリザベスのしぶとさなど、女性陣は恐ろしいほどの強さが印象的。
それらは、女性作家ならではの発想なのかもしれません。
男性が歴史の表舞台に立つ時代が長く続いたのは事実。
ですが、女性もまた歴史を動かすほどの活躍をしていたのも事実。
その影で男性は立場ゆえに苦しんでいたのかも・・・
視点を変えることで、見えるものも変わってきます。
『イサック』
原作:真刈信二、漫画:DOUBLE-S
掲載誌:月刊アフタヌーン
出版社:講談社
単行本8巻まで発売中
『イサック』あらすじ
17世紀の神聖ローマ帝国。
そこに現れたのは、火縄銃を持った日本人傭兵のイサック。
彼の目的は、師の仇である切支丹・ロレンツォでした。
日本を遠く離れ、三十年戦争を戦うイサックの物語。
『イサック』おすすめポイント
カトリックvs.プロテスタントの宗教戦争だったはずなのに、いつの間にか神聖ローマ帝国vs.領邦君主になってて、さらにはハプスブルク家vs.ブルボン家になって・・・と分かりにくい三十年戦争。
でも、ヨーロッパの主権国家体制成立につながる重要な史実です。
その三十年戦争に日本人傭兵が参戦していたら?という「if」は、遠いヨーロッパ史を身近に、興味深くしてくれます。
何より、イサックは架空の存在ではありますが、16世紀~17世紀にかけて実際に多くの日本人が傭兵として世界各地で活躍していたという事実は何だかワクワクします。
こういう意外な事実の発見は、歴史を楽しむきっかけになりそうです。
サバイバルポイント
歴史漫画の楽しみ方のひとつが、知識の数珠つなぎ。
どんどん気になることが増え、つぎつぎ気になる作品が見つかっていくのでほぼ退屈知らずです。
おうち時間がいくらあっても足りなくなるかも!