♪でっきるかな~?でっきるかな~?発砲阻止~!
アシスタントのゴン太くんはいないけど!
ネタが昭和すぎてついてこられる人もいないけど!
発砲阻止大好きなノッポさんだよ!
ということで、前回の「マンガ『MASTERキートン』を読んで銃口に指を突っ込んで暴発させられるかを学ぶ」に続いて、発砲阻止シリーズ第二弾!
マンガ「勇午」を読んでリボルバーの発砲阻止を学ぶのですよ!
テキストは前回の発砲阻止にも登場した「勇午」の第一巻。
前回の考察ではガス圧でポーンでバキューンになってしまうと予想された勇午さん、今回はどうなるのでしょうか。
ちなみに、前回の武器はライフルでした。
今回はリボルバーです。
さあ、リボルバーの発砲阻止、できるかな?
「勇午」は月刊アフタヌーンに連載されていたネゴシエーター(交渉人)漫画。
「ゴルゴ13」と並んで麻生太郎氏が国際社会を学ぶ教科書としていたことで有名ですね。
見所は、塩漬けからカッピング、精神系までバリエーション豊かな拷問シーンです。
主人公の別府勇午は成功率97.4%を誇るフリーのネゴシエーター。
特技は拷問を受けることと、考えるのを止めること。
今回のテキストとなる第一巻で訪れるのはパキスタン。
人質となった日本人男性を救うべくやってきたのでした。
パキスタンでは、まず地元の子供と友情を育み、行動を共にします。
彼はいつも市井に交わることからはじめ、正確な情報と人々の信頼を得るのです。
そうして手がかりをつかんだ勇午はとある旅行社へ。
ここで相手にカマをかけ、手がかりをつないでゆきます。
この、カマかけのシーンで、リボルバーの発砲阻止が登場します。
旅行社の机にはぶっきらぼうな男が一人。
勇午がわざと挑発すると、男は「失せやがれ」と怒鳴り、引き出しからリボルバーをだして勇午へと突き付けます。
しかし、それより速く、勇午の右手はシリンダーを押さえ込んでいました。
シリンダーをつかんだ勇午に驚きながら、男は引き金をひこうと力をこめます。
が、引き金もハンマーも動きません。
そして勇午はこう言ったのです。
「無駄さ、シリンダーが回転しなきゃ引き金は引けない」
と。
さてさてさてさて来ましたよ!
リボルバーのシリンダーの回転を素手で押さえて、発砲阻止、できるかな?
リボルバーは撃鉄(ハンマー)が起きる時にシリンダーが回転します。
つまり、撃鉄(ハンマー)を起こしていない状態でシリンダーを押さえると動作が止まってしまうので、発砲阻止は可能です。
もっとも、これはダブルアクションのリボルバーの場合。
撃鉄(ハンマー)を起こす動作と引き金を引く動作が別々に行われるシングルアクションの場合、撃鉄(ハンマー)を起こした後にシリンダーを押さえても発砲できてしまいます。
作中で登場したのはエンフィールドリボルバー。
中折れ式の薬莢バラバラ~がかっこいいやつで、著名な愛用者はムスカ大佐。
1920年代にイギリス軍に採用された後1978年まで製造されてたとはいえ、作中の1990年代のパキスタンで使用されていたこと、さらにはラピュタは本当にあったんだ時代にまで使用されていることを考えるととんでもないわけですが、やはりそこは中折れ式尊いというわけです。
きっちり撃鉄(ハンマー)があるので、No2.Mk1のように思います。
たぶんこれだろう、というのがアメリカの愛好家のYoutubeに上がってましたので、これを見れば一目瞭然。
きっちりダブルアクションで撃ってますね。
最近のホビー銃でも中折れ式なんてないので、逆に新鮮です、これは。
この後、別のシーンでも同じエンフィールドNo2.Mk1が登場するので、どうやら、現地でよく使われている模様。
もっとも、勇午が事前にリサーチしたところ、リー・エンフィールドのような古い銃のライセンス銃が現地では出回っているらしく、厳密にはそういったものだったのかもしれません。
ということで、エンフィールドNo2.Mk1の発砲阻止について考えてみることにしましょう。
エンフィールドのNo2.Mk1って、ダブルアクションもシングルアクションもいけるような気がするのですが、男が咄嗟に構えたことからダブルアクションだと予想もつくでしょう。
撃鉄を起こした状態で持ち歩く人はそうはいません。というか、そんな人がいたらちょっと頭がおかしいです。撃鉄を起こしてしまうとトリガーが軽い状態になるので暴発の危険が高まります。
実際、撃鉄(ハンマー)はダブルアクション使用時の位置でした。
また、これがNo2.Mk1だからこそ可能な行為なのではと思わされるポイントもあるのです。
シリンダーをつかんで動かないようにするといっても、相手の手中の銃に手が届くだけの接近戦で間に合うのかという疑問があります。
けれど、No2.Mk1のダブルアクションは重いということなので、早撃ちにはむかず、その特性によって間に合っちゃってるのかなと。
それでも相当な早業でつかむ必要があるわけですが。
そして勇午のケースでは、あくまで威嚇でリボルバーを構えられたから間に合ったのでしょう。
即、撃つ気で構えられたならどうなるかといったところです。
また、もともと引き金が重めなのも、咄嗟につかんだ握力&つかみ所的疑問に対する説得力になるのかなと。
とは言え、第一弾の指や泥突っ込んで腔発事故と違って、そもそも発砲そのものが阻止されるわけですからダメージは無さそうですので、そこは評価したいところ。
ただし成功すればですが。
・・・こうして、男の発砲阻止に成功した勇午はシリンダーをつかんだ手でハンマー横のロックを器用にはずし、バラバラ~っと排莢してしまいます。
これを見た男は、勇午を銃器の扱いに慣れすぎていると判断し、打ち解けるきっかけとなるのでした。
めでたし、めでたし。
びっくりなのが、この後、勇午がこの男にパスポート預けちゃうこと。
打ち解け過ぎじゃないか?
これは真似しちゃダメ絶対!
発砲阻止できるかな?シリーズ第二弾は、条件付きでなんとか可能!
なんとか可能ではありますが、やっぱり一番は銃口を向けられない生き方をすることです。
基本、勇午は人なつこさで生き延びています。
そっちを見習って生きていきましょう。
サバイバルポイント
リボルバーのシリンダーを掴んで発砲は阻止できる!
【ただし条件付き】
・ダブルアクションであること
・シリンダーに手が届く接近戦であること
・相当な早業であること
・威嚇なら間に合うかも